I love the cinema!

こころに映ったことや奮闘記です。

Category: 映画批評

アカデミー賞にノミネートされましたね。
高畑勲監督作品は、常にチャレンジ(特に作画)していて、その精神に本当に頭が下がります。


「かぐや姫の物語」に関しては、批評しづらいというか、よく出来た作りで、僕は何も言えませんwww。
かぐや姫の幼少期の部分を創作した点は、良かったと思います。

ラストまで魅せましたが、強いて言えばやはり泣かせて欲しかったです。


かぐや姫に、好きな人を作ってあげてもよかったのでは。ラスト、もっと切なくなりますよね。

確かに、育ての親と別れるのは辛かったでしょうが、もう立派に成人していましたから。それが家族だというなら、異議ははさみませんが。

「ホーホケキョ」同様、背景や色使いが地味なので、DVDで鑑賞すると、眠くなる可能性に注意しましょう!


バー衣


クリント・イーストウッドは、ご存じのように人気俳優でありながら映画作家として大成し、長く成功し続けた偉大な人物。

傑作はたくさんありますが、思いついた作品のベスト5を発表(独断と偏見)!!


その前に、僕は人が美味しいという多くのものは美味しく感じるし、逆も然りで、本当に凡庸な人間。
映画は、確かに人より多く観ているかもしれず、「料理研究家」みたいになっているかもしれない。だから、他の人と意見が食い違うのかな?!


なので、皆さんと異なる場合は「嗜好」の問題と思ってくださいね(笑)。


第1位 ミスティックリバー

これはね、凄いですよ。映画館で観られなかったのが悔やまれる


第2位 チェンジリング

アンジェリーナ・ジョリーは、基は演技派ですから。変な偏見をもたずにご覧ください。


第3位 ミリオンダラー・ベイビー

ディズニーのTシャツシーンがなければ、もっと良かった。この作品辺りから、作風が少し左寄りになった(笑)。


palerider
第4位 ペイルライダー

「許されざる者」のオスカー受賞は、この作品の好評価から生まれたとの説も。イーストウッド主演の西部劇。最後の格好いい姿(笑)。


第5位 グラン・トリノ

構成が少しゆるゆるだけど、彼の集大成ではないかな。


次点 マディソン郡の橋


「許されざる者」がどうしてないんだ? 最近までは入っていました。これも映画館で鑑賞し、その時は感動しました。僕は西部劇リアル世代ではないから、かな。


最近、レンタルで見直したんですよ。そうしたら、ちょっとイマイチでした。内容はだいぶ忘れていたんですが、展開が読めちゃって。後半も粘りがないし。


他にも実はまだ観ていない作品があるので、またその時は感想を書きます。


稀代の映画作家であることは間違いないよ。
そして、僕のこのベスト、他の人と間違いなく一致しない(笑)。


特に、日本の(キネ旬ベストのような)批評家たちとは相容れないと思うwww。
だって、日本人イーストウッドが大好きだから。

次回、どう贔屓目に観てもそれはないだろ的なイーストウッド作品について、理由も含めて書きたいな。
昨年公開のヤツとか…。荒れそうだな〜。


バー異。

3


最近、世間の評価やレビューと、自分の批評がかなり温度差があり、間違っているのは自分の方ではないのか…、などと弱気に考えたり…





それはないですね(笑)。





例えば、「孤高のメス」や「悪人」が映画賞を席捲したとしても、僕はその映画を批評した人の目を疑うと思います。





僕の判断基準は明確で、「飽きさせないで画面に釘付けになったか」です。





映画館にいた2時間が夢のような気分に浸れ、払った料金に見合う感動や、心を揺さぶった時、僕は称賛します。





あと、一つは、「正義」です。




正義って何なのか、これは人それぞれの価値観があると思うのですが、少なくとも僕は「人間主義」者なので、これを否定したり、見た人(特に若者)を悪の方へ導くような作品に対しては、





これは、怒りの鉄槌を下さなければならないと思っています。(-.-)





もともと、僕は一映画ファンでした。というより、洋画が大好きでした。その頃の邦画は魅力的な作品が少なかったのです(実はあって、あまり宣伝されていなかったので知らなかっただけなのですが)。





衝撃を受けたのは、黒澤明監督の「羅生門」でした。





世界の「クロサワ」は、子供心に知っていましたが、見終わった瞬間、僕は黒澤映画の虜になったのです。





日本人でも、こんなすごい映画を作っているんだ! 





「羅生門」という90分足らずの白黒映画は、まさにフィルムの奇跡だったのです。





僕は、今黒澤明が生きていたらどんな映画を創るだろう、と常に考え、それは一つの判断基準になりました。





50年も前にできたこの映画を越えているか。




進化の証明を示してくれたとき、星が5つになります。





黒澤明が、殺人犯の逃亡劇を創ったとします。無精ヒゲもないことが許せるでしょうか。





改正臓器移植法が成立しました。脳死患者の家族の哀しみをどれだけ深く描いたでありましょうか。カウンセラーの必要はないでしょうか。






アカデミー賞の授賞式で彼は、「自分はまだ映画のことを分かっていない」と語っていました。両脇に、スピルバーグとジョージ・ルーカスを従えて。





僕にも、まだ分かっていません。





もし、面白かった映画を僕が貶したら、多分気分を害されるでしょう。それで、よく口論になったこともありましたから(笑)。





そういう時は、「半人前が何をいってやがる」と聞き流してちょうだいや(^-^)/。




僕も、勉強は欠かさないつもりです(^-^)/。

3

これだけ話題になってない映画も珍しい。
ネット上にも、この映画の批評は皆無に近い。
オダギリジョーが主演しているというのに。しかも英語セリフに初挑戦の作品。

オダギリジョーはアメリカに役者修業で留学していたことがあるそうだ。
その割には、日本人英語で、字幕なしでもこの映画は楽しめたと思う。


さて、この作品の批評も少ないのは、批評しづらい作品だからだともいえる。
それを批評しようと意気込むおいら。

ダヴィンチ・コードは誰かに任せておいて、こういう「触れないでおこう」という作品の批評にあえて挑戦させていただきます。


なお、この映画を見ている人はおそらく、いないと思うので(笑)、辛辣にいかせて頂きますよ(^-^)/。

ビッグリバー

日本人の若者(オダギリ)とパキスタン人のおじさん、アメリカの金髪美女3人のロード・ムービーだ。

設定は面白い感じがする。
多分、「ホン」も良かったんだと思う。サラ役の造形の浅さを除いては。


この作品、雰囲気を大事にしている。ロード・ムービーの定石だ。
しかし、あまりにも抽象的すぎる。あらゆる面でだ。
だから、批評しづらい、いいのか悪いのか分からない作品になっているのだ。

内田叶夢監督だったかな。「映画をつくることとは、具体から抽象へ、抽象から具体にする作業だ」という名言がありますが、この作品は、抽象が具体になっていない。


例えば、人の心は、必ずしもはっきりしていない。実は曖昧だったりする。それを描くのも映像のなせる技だと思う。

決して、はっきりしろと言う訳ではない。人の内面ははっきりしている方が確かに見やすいが、この作品の狙いだとも思う。


だとしたらだ。作品のテーマはしっかりとした具体にして欲しかった。


それを明白にするのがタイトル。「BIG RIVER」。

なぜ、大きい川なのか。
なぜ英語なのか。

川なんか、出てきやしませんよ。いつ出るのかと待ってましたけど。

イーストウッドの「ミスティック・リバー」にはちゃんと川が出ますよ。いい感じで。
ビッグリバー2

そして、ロードムービー大好き少年として言わせてもらうなら、目的地がなければならない。ゴールだ。
それは場所でもいいし、登場人物の心の決着でもいい。

目的地のない旅は、退屈なのだ。


そして、あらゆる映画にいえることだが、観客は奇跡を見たいのだ。
どんな奇跡が見られるか。楽しみにしているのだ。

この映画には残念ながら、現実しかなかった。ファンタジーにしろという訳ではない。現実路線でいくなら、もっと主題を明確にしないといけない。キャラをもっと尖らせないと。

・僕のベストロードムービー5
「パリ、テキサス」
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
「旅の重さ」
「テルマ&ルイーズ」
「ミッド・ナイト・ラン」

ロード・ムービーって、簡単そうにみえて、難しい。
上記の作品は、非常にテクニカル。見習って欲しい。


アメリカの、広大な大地の、延々と続くまっすぐな道。
延々と変わらない風景。

僕も学生旅行で、アメリカを車で延々走ったので、思い出しました。
アメリカって、ほんと広いんですよ。

では、こんなところで。


生まれ変わったら「オダギリジョー」の顔になりたいHiroでした(^-^)/。

4
THE 有頂天ホテル

終映ギリギリで見ることが出来ました。
かなり評判がいいみたいですからね。


で、感想を。
よくできた脚本です。

「映画検定」に必ず問題ででるであろう古典の傑作「グランド・ホテル」。この作品にオマージュを捧げた作品だ。

この作品も「グランド・ホテル形式」。さまざまな人物模様が同じ時間帯にホテル内で織り交ぜられる。脚本家・三谷幸喜の独壇場だ。

演出手腕も優れている。凝りに凝っている。

グランド・ホテル


しかし、もっと笑えて泣けると期待してた分だけ、それほど笑えもしなかったし、泣けもしなかった。自分に原因があるのかな?

笑いって難しい。
笑えるか、笑えないかは、その人の感性。

僕は、無理矢理笑わせようとしているようなシーンを何度も目の当たりにし、ちょっと退屈した。


あと、少しご都合主義が垣間見えた。偶然が多いし、役所広司演じる副支配人のキャラも一貫性に欠け、ストーリーに流されている。

テーマがですねー、いまいち時代に即してないというか、心を打たれなかったのも、現代に訴える求心力が弱かったからかな。

なんか、三谷幸喜の趣味を見せられたようで…。
技術は秀でてますけどね。人物配置だとか。

僕は「笑の大学」の方が好きですけど、どうなんでしょう。

皆さん、見ましたか?

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